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コラム 更新日:2024.06.07

【もう迷わない】新基準原付は原付免許で125ccまで乗れる?いつから?

従来、原付免許は排気量50cc以下の二輪車までしか運転できませんでしたが、2025年から125cc以下の二輪車まで大幅アップすることが検討されています。排気量125ccの二輪車を運転するためには、今まで小型二輪免許以上が必要とされてきました。

これまでの常識を覆す大変革となるため「原付免許を取得しようかな」「小型バイクに乗りたいな」と考えている方にとっては、何がどう変わるのか分からず迷ってしまうでしょう。

そこで本記事では、新基準原付免許の具体的な内容や導入時期などについて、分かりやすく解説します。これから免許を取得しようとしている方は、ぜひ参考にしてみてください。

※2024年5月時点での情報です。

新基準原付とは?

新基準原付とは、総排気量125cc以下・エンジン最高出力4kW(5.4ps)以下に制限した二輪車のことです。

従来の原付バイク・原チャリなどと呼ばれる原動機付自転車は、主に総排気量50cc以下(電動の場合は定格出力0.6kW以下)の二輪車を指しますが、警察庁により区分が見直されることが発表されました。

区分変更後は、一定基準を満たした総排気量125cc以下のバイクが「新基準原付」となり、原付免許で運転できるようになります。そのため原付の排気量は、従来の50cc以下から125cc以下へと排気量が大きくアップする予定です。

新基準原付が開発された背景

そもそも従来の区分が見直されるきっかけには、排気量50cc以下の新型モデルが、各メーカーから開発・販売されなくなってきている現状があります。

道路運送車両法では、排気量125cc以下の二輪車が原動機付自転車とされており、排気量50cc以下は第一種原付・排気量50cc以上~125cc以下は第二種原付と区分されています。

かつては国内だけでも何百万台と販売された原付ですが、近年では違法駐車の厳罰化や電動アシスト自転車の台頭、少子化などにより販売台数が落ち込み、採算が取れない状況です。

排気量50cc以下の原付は世界的に珍しく、欧州やアジアなどでは排気量100~150ccの小型バイク・スクーターが主流です。そのため輸出で利益を出すのも難しく、排気量50ccの原付を生産するメリットが薄くなってきていました。

とはいえ、国内では通勤・通学や買い物などに多く利用され、国民の生活に根ざしているため、売上に直結しないながらも生産が続けられています。

こうした状況の中で、さらなる追い打ちをかける「国内第4次排ガス規制」が、2025年11月以降から適用されるため、新基準原付の区分が検討されることとなりました。

現行の原付では、新たな排ガス規制に対応できず、規制値をクリアできません。しかし規制の条件をクリアするには、開発ハードルが高過ぎて生産が難しく、生活の足として利用する多くの国民が困る可能性がありました。

そこで全国オートバイ協同組合連合会・日本自動車工業会により「新基準原付」の要望が出され、「新基準原付であれば原付免許で運転しても良い」と有識者に認められました。

50ccの原付では基準を満たせないのはなぜ?

現行の排気量50ccの原付では、触媒の浄化効果が出る前に排出ガスの規制値を超えてしまうため、技術的に基準を満たすのが難しいとされています。

原付のマフラー内で、一酸化炭素や窒素酸化物などの排出ガスを浄化するには、浄化装置である触媒を約300度まで高温にする必要があります。触媒は温度上昇が不十分だと能力を発揮できません。

しかし排気量50ccの原付では触媒の温度上昇に時間がかかり、浄化効果を発揮する前に排出ガスの規制値をオーバーしてしまうため、規制値が厳しくなる「第4次排ガス規制」をクリアできなくなります。

一方で、排気量125cc以下の小型二輪車であれば、短時間で触媒の温度を上昇させられるため、排出ガスの規制値をクリアできます。

いつから導入されるの?

2024年5月現在、新基準原付の区分がいつから導入されるかは明確に決まっていません。

ただし新たな排ガス規制が、2025年11月以降に原付に適用されるため、順当に進めば2025年10月末までには、法改正が行われて新基準原付が導入される見込みです。メーカーによる製品開発・販売も、導入に合わせて行われると考えられます。

そのため2025年11月から、原付免許で「新原付」が乗車可能になると推測されます。

新基準原付開発のきっかけとなった「次期排ガス規制」とは?

新基準原付のきっかけとなった「次期排ガス規制」とは、国土交通省が定める道路運送車両法によって規定される「排気ガス濃度」を規制する施策です。その基準は厳しく、世界最高レベルの厳しさを誇るヨーロッパの「EURO5」と同等です。

排出ガス規制とは、国土交通省が定める道路運送車両法によって規定される、排気ガス濃度を規制する施策のことを指します。具体的には、一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物の3種類で、車検時に基準内の数値か測定されます。

二輪車の排出ガス規制強化は既に行われており、新型車においては2020年12月から、継続生産車に関しては2022年11月から適用されていて、原付は2025年11月から適用と大きく猶予が設けられている状態でした。

※参考:自動車局環境政策課.「ガソリン直噴車及び二輪車等の排出ガス規制を強化します。」.平成31年2月15日.(参照2025-05-23)

排ガス規制の歴史

排ガス規制の歴史は、1966年に導入されたガソリン車(自動車)に対する一酸化炭素の規制にまで遡ります。

当時のアメリカ都市部では、排気ガスが引き起こす光化学スモッグが社会問題となっており、有害物質の削減のため一酸化炭素・炭化水素の規制が設けられました。世界的な環境問題意識の高まりから、日本でも排気ガス規制が始まりました。

1973年には炭化水素や窒素酸化物の規制が行われ、1978年には世界で最も厳しいといわれた排気ガス規制が施行されました。こうした流れがあり、現在では温室効果ガスの低減のため、排ガス規制が行われています。

バイクメーカーに対する影響

次期排ガス規制によって、バイクメーカーでは排気量50ccの新商品を開発できなかったり、ロングセラーだった車種が販売終了になったりと、さまざまな影響が出ています。

排ガス規制は段々と厳しくなってきていることから、規制に対応できず絶版になった車種も珍しくありません。例えばヤマハでは、2000年の排ガス規制により「SEROW225」の生産が終了しました。

規制により生産が終了した車種が多くある一方で、規制に対応するための技術革新も行われています。例えば2ストロークエンジン搭載のバイクから、4ストロークエンジンのバイクが主流になったことも規制の影響によるものです。排ガスを減らすためマフラーの触媒も進化し続けています。

最近では、そもそも排ガスを出さない電動バイクの開発も加速しており、既に販売が開始されています。また自動車同様に、水素エンジンで走るバイクの開発も進められており、業界が一丸となって規制をクリアできるよう開発を進めているのが現状です。

消費者に対する影響

消費者に対する影響としては、排気量50ccの新商品が販売されなくなったり、新規開発されたとしても値段が高くなったりする可能性があります。

排気量50ccの原付は、元々採算が見込めず、新たな排ガス規制への対応も難しいため、新基準原付の導入により販売されなくなる可能性があります。販売されたとしても規制に対応できる装備開発のため、販売価格が上昇するかもしれません。

排気量50ccの原付から125ccに切り替える場合も、現行の原付ほど安くない可能性があります。メーカーがどれだけリーズナブルな価格設定にできるか、企業努力に期待するしかありません。

なお排ガス規制の対象は、バイク本体だけでなくバイクパーツも含まれるため、中古のマフラーに交換してしまうと、法令違反となる可能性があります。バイクカスタムを楽しむ際には注意が必要です。

なお、新基準原付が導入されても免許制度に変更はなく、従来の原付一種免許・自動車運転免許があれば、新基準原付に乗れるため、新たに免許を取得し直す必要はありません。

既に使っている原付には乗れるのか

既に購入済みのバイクであれば、排ガス規制を満たしていない原付でも問題なく乗れます。

排ガス規制は、新型・継続生産者問わず適用されますが、あくまで新規に生産されるバイクが対象です。そのため既に購入している原付に関しては、今まで通り使用できます。規制が強まるからといって、無理に買い替える必要はありません。

ただし2025年11月以降に買い替える場合は、新基準原付に該当する車種を選ぶ必要があります。

新基準原付は原付ユーザーも運転できる?

新基準原付は、排気量50cc以下の原付を運転できる第一種原付免許、もしくは自動車運転免許を所持していれば運転できます。

新基準原付の導入に当たり、警察庁交通局主導で免許の実技試験を担当している技能試験官12名による走行評価が行われたところ、現行の排気量50ccの原付と比べても、経験値にかかわらず同等かそれ以上に運転しやすいと判明しました。

加えて原付免許を保有する一般ライダーの試乗会も開催されましたが、こちらでも現行の排気量50ccの原付と比べて遜色なく、ほとんど運転特性に違いはないという結果になりました。そのため現行の原付ユーザーも、問題なく運転できるでしょう。

新基準原付と現行の原付一種・原付二種の違いは?

新基準原付と、現行の原付一種・原付二種との違いは下記の通りです。

新基準原付 現行の原付一種 原付二種
総排気量 125cc以下 50cc以下 50cc超~125cc以下
最高出力 4kW(5.4ps)以下 規制なし
最高速度 30km/h 60km/h
免許 原付免許・自動車運転免許 小型限定普通二輪免許以上
二人乗り 不可 可能
二段階右折 あり なし

特に原付二種とは排気量が同じため似通って見えますが、新基準原付は最高出力が制限されており、必要な免許も異なります。

交通ルールや各原付の区分、値段など細かな違いについては、以下で詳しく紹介します。

交通ルール

交通ルールにおいては、新基準原付となって排気量が増えても、現行の排気量50ccの原付と大きな違いはありません。

新基準原付となっても、下記のように排気量50ccと同じ交通ルールを守る必要があります。

・原付免許もしくは普通自動車免許の取得が必要
・二段階右折が必要
・法定速度は時速30km
・第一通行帯通行義務
・二人乗り禁止

もちろん改正後も、現行の125ccや出力を抑えていない125ccのバイクには、現在と同じく排気量50ccの原付とは異なる交通ルールが適用されます。そのため原付二種の運転には、小型限定普通二輪免許以上の免許が必要です。

各原付の区分け

各原付の区分けとしては、2024年5月現在は明確に定まっていませんが、ナンバープレートで見分ける方向になる可能性があります。

従来は、排気量50ccの原付一種と排気量125ccの原付二種を、以下のように見分けていました。

・排気量50cc以下:白ナンバー
・排気量50cc超〜90cc:黄色ナンバー
・排気量90cc超〜125cc:ピンクナンバー

加えて原付二種は、車体後部に白い三角マークと、フロントフェンダー先端に白い帯状のマークも付与されており、ひと目で原付一種・原付二種を見分けられるようになっています。

現状はまだ検討レベルではありますが、ナンバープレートなど外見上で区別できるようにする可能性が高いでしょう。

値段

新基準原付の価格帯はまだ分からないものの、20万円前後からそれ以上になる見込みです。

原付は排気量の違いによって価格に違いがあり、メーカーや車種によっても異なりますが、新品での販売価格の相場は以下のようになっています。

・排気量50ccの原付:15万〜20万円前後
・排気量125ccの原付:25万~35万円前後

排気量50ccと125ccでは、販売価格に10万~15万円ほどの差があります。新基準原付の価格帯は不明ながら、排気量125ccのバイクの中では比較的リーズナブルな20万円前後から、それ以上の価格になると予想されます。

武蔵境教習所で原付の免許を取得したい方におすすめのプラン

新たな排ガス規制の影響で新基準原付が誕生しても、原付免許だけでは運転できる車種に限りがあるため、より選択肢の広がる排気量125cc以下のバイクを運転できる「普通二輪免許取得」を目指すのもおすすめです。

普通二輪免許を取得すれば、原付のような速度制限や二段階右折の義務がなく、原付では味わえないツーリングの疾走感や自由な走行ルートを楽しめます。

また原付二種・新基準原付を運転できる「小型限定普通二輪AT 2DAYSplan」もおすすめです。たった2日間で取得できるため、通勤・通学などのため急いで取得したい方にぴったりです。

まとめ

新基準原付は、現行の排気量50ccの原付では新たな排ガス規制に対応できないことから新設されたもので、2025年11月以降から適用されます。

従来の排気量50ccの原付から、総排気量125cc以下・エンジン最高出力4kW(5.4ps)以下に制限した二輪車へ移行します。これから新たに免許を取得する場合は「新基準原付」が導入されることも視野に入れて、どの免許を取得すべきか考えなくてはなりません。

原付・小型バイクの免許取得を検討されている方は、武蔵境自動車教習所へご相談ください。JR中央線武蔵境駅から徒歩5分とアクセス抜群で、年中無休かつ平日21時まで営業しているため、通学しやすい環境が整っています。

また予約なしでの説明会を開催しており、お申し込み希望の方だけでなく運転免許に関する疑問を解決したい方のご応募もお待ちしております。どの免許を取得すべきか悩んでいる方は、まずは説明見学会へお越しください。

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