卒業検定の流れや合格率は?検定の内容や気を付けることについて解説
教習所を卒業するには、卒業検定に合格する必要があります。卒業検定に学科試験はなく、場内コースと路上コースの両方で行われる実技試験のみとなっており、今まで培った運転技術の総決算となる試験です。
卒業まであと一歩だと思うと「落ちたらどうしよう」「何をどう対策しておけばいいの?」など、不安でいっぱいになる方も多いでしょう。
そこで卒業検定までの流れや内容を解説するとともに、合格率を上げるために気を付けるべきポイントを紹介します。
自動車教習所の卒業検定とは?
自動車教習所の卒業検定とは、自動車運転技術の習熟度を確認するための試験で、教習所内のコース・路上コースにて、基本的な運転技術や安全運転に関する知識を審査します。
合格すると教習所でのカリキュラムを終えた証として「卒業証明書」を交付してもらえます。証明書があれば運転免許センターでの技能試験が免除され、学科試験と適性試験に合格すれば運転免許を取得することが可能です。
基準に達していない場合は不合格となるため、日頃の教習の内容をしっかりと復習しておくのはもちろん、事前に対策方法を学んでおき、試験官に安全運転ができることを示さなくてはなりません。
卒業検定の合格率
卒業検定の合格率は、警察庁交通局運転免許課の調査によると、例年70%以上と高く、2023年度では78.7%と高水準でした。数字だけ見ると「簡単そう」と思われるかもしれませんが、およそ10人に3人は落ちている計算です。
卒業試験に落ちても再度挑戦できますが、教習所によっては卒業試験を受けるたびに料金が発生するケースも珍しくありません。
時間も費用も余計にかかってしまうため、一発合格できるように、しっかりと対策した上で臨む必要があります。
※参考:警察庁交通局運転免許課. 「運転免許統計 令和4年版」
卒業検定を受けるまでの流れ
卒業検定を受けるまでの流れを、自動車教習所へ入所する段階から順に解説します。
・自動車教習所へ入所
・第一段階
・修了検定
・仮免許学科試験
・第二段階
・卒業検定
自動車教習所へ入所
まずは自宅や通学・通勤ルートから、通いやすい自動車教習所を探して入所手続きを行います。特に夏休みや春休みなど長期休暇は混み合うため、早めに申し込んでおくとスムーズです。
教習所によっては駅チカな場所にあったり、シャトルバスでの送迎があったりするので、立地や交通手段の有無も重要な比較ポイントです。
入所手続きが完了したら、視力や聴力、色彩判別能力などの検査と、行動や性格に関する適性検査も受けます。1時間ほどかかるため、入所手続き後すぐに予定を入れないよう注意しましょう。
なお武蔵境自動車教習所であれば、JR中央線武蔵境駅から徒歩5分・年中無休と通いやすく、三鷹駅からの送迎バスも運行中です。加えて適性検査を毎日17:10~18:00に行っているので、いつでもスタートできます。
第一段階
第一段階では、運転の基本や交通ルールといった基礎的なことを学び、学科教習と技能教習(教習所内)の2つを同時進行で受けます。
ただしMT(マニュアル)とAT(オートマ)限定では、以下のように定められた受講時間が異なっています。
学科教習 | 技能教習 | |
MT | 10時限 | 15時限 |
AT限定 | 12時限 |
学科・技能ともに、都合のつく授業から順番に受講していきます。
武蔵境自動車教習所では、24時間いつでも受けられるオンライン学科も行われているため、忙しい学生・社会人でもスキマ時間で学科を進めることが可能です。
学科教習を全て受講し、技能教習を半分以上受け終わったら「効果測定」と呼ばれる模擬試験が行われます。合格者は最後の技能教習である「みきわめ」に挑めます。
「みきわめ」では第一段階で学んだ基本的な運転や、安全への配慮が行えているかを試され、合格すると第一段階の最終テストである「修了検定」へ進めます。
修了検定
修了検定では、教習所内のコースを走行し、第一段階で学んだ運転技術が身についているかテストされます。減点方式で採点され、100点満点中70点以上で合格です。
課題内容は事前に共有されるため、イメージトレーニングしておくと合格しやすくなります。
もし不合格になった場合は、技能の補習を1時限受けると、再度試験を受けられます。ただし追加料金が発生するかもしれないので、一発合格できるよう努めましょう。
仮免許学科試験
修了検定合格後は、第二段階に進む上で必須となる「仮免許」を取得するために、仮免許学科試験を受けます。第一段階で学んだ基礎的な交通ルールや法令から、全50問が出題され、そのうち45問以上正解すると合格です。
〇×形式のペーパーテストとなっており、問題文をよく読まないと間違えやすい引っかけ問題もあるため、落ち着いて回答する必要があります。過去問を何度も解き直して、学科試験に慣れておくと安心です。
不合格になった場合は、1時限以上の補習を受けて再度試験を受けなければなりません。追加料金の支払いを避けるためにも、一度で合格できるのが理想です。
第二段階
仮免学科試験・修了検定ともに合格して仮運転免許証が交付されると、路上での教習を含む第二段階に進みます。第一段階と同じく、学科教習・技能教習の2つを同時に進めます。
学科教習 | 技能教習 | |
MT | 10時限 | 19時限 |
AT限定 |
第二段階からは「路上教習」がスタートし、一般車両に混じって公道で教習を行います。教習所によって、実際に高速道路で運転するケースもあれば、シミュレーション装置で済ませるケースの2パターンあります。
なお武蔵境自動車教習所は、実車での高速教習にこだわっているのが特徴です。教習段階で高速道路での走行に慣れておくことで、免許取得後に自信を持って高速道路で走れるようになります。
第一段階と同様に効果測定とみきわめが行われ、みきわめで良好と判断されれば卒業検定へと進めます。
卒業検定
卒業検定では、路上と教習所内での技能試験が行われ、100点満点中70点以上で合格です。修了検定と同じく減点方式で採点され、持ち点が70点未満になった時点で終了となります。
軽微なミスなら減点で済みますが、信号無視や一時不停止のような危険行為は、即検定中止となるため要注意です。緊張で頭が真っ白になると失敗しやすいので、できるだけリラックスしましょう。
なお卒業検定で不合格になった場合も、補習を受ければ再挑戦できます。
ただし卒業検定に合格して教習所を卒業しても、運転免許を取得できるわけではありません。卒業後に、運転免許センターで適性検査・学科試験に合格することで、晴れて運転免許証を取得できます。
卒業検定の内容
卒業検定に臨む上で不安になるのが、どのような試験内容なのかということでしょう。下記3つの項目について、それぞれ解説していきます。
・コース・所要時間
・採点方式
・減点される項目
当日に落ち着いて臨めるように、あらかじめ検定内容を把握しておきましょう。
コース・所要時間
検定のコースには教習所内・路上どちらも含まれますが、検定の所要時間およそ30分のうち、基本的には路上検定の方が長くなっています。
卒業検定で走るコースは事前に知らされている場合もあれば、当日に試験官の指示通りに運転する場合もあり、どちらになるかは教習所によって異なります。あらかじめコースを教えてもらえる場合は、どのような道なのか地図で確認してシミュレーションしておくと、検定当日の緊張感・不安感を和らげられるでしょう。
採点方式
卒業検定の採点方式は、教習所での他の試験と同様に100点満点の減点方式です。減点基準は警察庁により減点となる項目が明確に設定されており、試験官がミスを確認すると減点されます。
ミスごとに減点数が定められており、70点を下回った時点で不合格です。加えて特定の危険行為があった場合は、点数にかかわらず即検定中止となり、同じく不合格です。
減点される項目
卒業検定の減点項目は、警察庁の規定によって、下記のように「5点減点・10点減点・20点減点・試験中止となる危険行為」の4つに分かれています。
代表的な路上コースでの減点項目と減点数は以下のとおりです。
点数 | 減点項目 |
5点減点 | 半ドア、合図の不履行、運転姿勢不良、急発進、 交差点内の右左折方向違反、停止位置不適、踏切内変速 など |
10点減点 | 逆行(小)、エンスト、発進手間どり、速過ぎ(小)、 切り返し、急ハンドル、ふらつき小、巻き込み、 脱輪(小)、泥はね運転、 駐車違反 など |
20点減点 | 逆行(中)、速過ぎ(大)、側方間隔、脱輪(中)、 接触(小)、路側帯侵入、変更禁止違反、緊急車妨害、 合図車妨害(進路・バス)、速度超過、駐停車違反 など |
試験中止(危険行為) | 逆行(大)、発進不能、暴走、ふらつき(大)、 通過不能、脱輪(大)、接触(大)、右側通行、 安全地帯等侵入、後車妨害、信号(赤出・黄出)、進行妨害 など |
減点項目と減点数は路上・教習所内では同じミスでも減点数が異なっていたり、ミスの度合いによって大・中・小と分かれていたりと細分化されています。検定前に、どのような行為が減点対象なのか確認しておきましょう。
※参考:警察庁. 「原議保存期間 30年(令和35年3月31日まで)」.
卒業検定で気を付けること
卒業検定に合格するために、気を付けておきたいポイントを8つご紹介します。
一発合格できるように、対策を練ってから検定に挑戦しましょう。
教習に出席することが目的にならないようにする
普段の教習の段階から、運転技術を確実に身に付けて卒業することを目標にして、一つひとつの教習に集中して取り組みましょう。教習へ出席することだけが目的になっていると、知識や技術の習得が疎かになるかもしれません。
教習への出席はあくまで過程であり、運転技術を習得して免許を取得するために必要な通過点であると再認識しましょう。日頃から真剣に教習に取り組んでおけば、自信を持って卒業検定に臨めます。
指導員から自分の運転について客観的な意見をもらう
客観的に弱点を教えてもらうことも大切です。自分ではできているつもりができていなかったり、意識していなかった癖があったりするかもしれません。
例えば「ブレーキのタイミングが遅い」「後方確認を忘れがち」など、客観的に具体的な改善点を教えてもらえれば、検定の際に意識すべきポイントが明確になります。
武蔵境自動車教習所では、90名(うち女性21名)の指導員が万全のサポート体制を整えており、都内トップクラスの在籍数です。複数の指導員から、多角的なアドバイスを受けられます。
苦手な部分はあらかじめ克服しておく
教習の段階で、苦手な部分は克服しておきましょう。苦手な部分を放置しておくと、卒業検定の大きな壁となるかもしれません。
特に卒業検定では、一般車両や通行人など不確定要素の多い路上での走行も行うため、不安の種を抱えたままでは本来の実力を発揮しにくくなります。
「左折が苦手」「ブレーキのタイミングに自信がない」など、苦手意識や不安があれば、正直に指導員へ伝えて、克服できるよう重点的に教えてもらいましょう。
コースを下見しておく
卒業検定のコースがあらかじめ分かっている場合は、下見しておくと安心して試験に臨みやすくなります。
例えば、苦手な踏切がコース内にあると分かっているのといないとでは、心構えが大きく異なるでしょう。事前に心の準備ができていれば、苦手な運転でも落ち着いて運転しやすくなります。
可能であれば、助手席に座って家族・友人などに実際のコースを走行してもらえば、当日の注意すべき箇所や走行イメージをよりリアルに感じられるでしょう。
イメージトレーニングしておく
走行ルートが分かっているのであれば、しっかりとイメージトレーニングしておくことも大切です。
ぶっつけ本番で挑むと慌てることも多くなり、焦りからミスを連発してしまうかもしれません。場内コース・路上コースともにイメージトレーニングしておけば、リラックスして運転しやすくなります。
具体的には、地図を見ながら「ここでブレーキ」「この角は要注意」など、本番を想定してイメージトレーニングしておけば、検定当日も落ち着いて挑戦しやすくなります。
安全確認の動作は試験官に伝わるように行う
卒業検定では、試験官に伝わるように、ややオーバーな動作で安全確認を行うことが大切です。
走行時や運転開始時の安全確認は、試験官から必ずチェックされるポイントです。しかし目や顔を少し動かして確認しただけでは試験官に伝わらず、安全確認を怠ったと思われて減点されてしまうかもしれません。
試験官に見られていることを意識して、明確に安全確認したことが伝わるように、首や頭を動かして、ややオーバーな動作で行うことが大切です。
失敗しても諦めずに続ける
1回や2回のミスで諦めず、最後まで落ち着いて検定に臨みましょう。卒業検定は減点方式なので、多少のミスをしても不合格にはなりません。
「後方を確認し忘れた」「ウインカーを出し忘れた」など、1つのミスで動揺しがちですが、動揺や焦りがミスを誘発するので、少しぐらいの失敗は気にせず堂々と運転しましょう。
最後まで諦めずに、いつも通りに運転することが大切です。
前日はしっかりと睡眠を取って疲れを残さない
卒業検定の前日は、しっかりと睡眠を取って疲れを残さないようにしましょう。車の運転は集中力・判断力が必要ですが、検定で緊張していると、いつも以上に体力が必要となります。
前日の疲れが残っていると、思ったように集中できなかったり、とっさの判断が遅れたりしやすくなります。特に路上コースは何が起こるか分からないので、冷静に実力を発揮できるように、前日はしっかりと睡眠を取ることが大切です。
まとめ
卒業検定は、教習所を卒業するための最終関門です。合格すると、運転免許センターでの技能試験が免除され、学科試験・適性試験のみとなります。
卒業検定では教習所内のコースと路上を走行する技能試験のみ行われ、100点満点中70点以上で合格となる減点方式です。合格率は70%以上と高いものの、事前にしっかりと対策を練った上で挑戦することが大切です。
武蔵境自動車教習所には約90名の指導員が所属しており、そのうち女性指導員は21名と都内トップクラスの在籍数を誇ります。複数の指導員からの多角的なアドバイスで、しっかりと苦手を克服してから卒業検定に臨めます。
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