【大型二輪免許】取得資格や合格までの流れ、かかる費用を徹底解説
「大型のバイクで出かけたい」「かっこいいバイクに憧れる」と免許取得しようと思っても、何から始めたらよいのか分からない人や自分には難しそうと不安を抱える人もいるでしょう。排気量の高い大型バイクは、パワーや加速に優れており重量があるため、扱いが難しそうなイメージを持つかもしれません。
そこで本記事では、大型二輪免許を取得する流れや、かかる費用などを解説します。憧れの大型バイクに乗りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
大型二輪免許でできること
道路交通法によると、バイクは排気量によって「原動機付自転車(50cc以下)」「普通自動二輪車(50cc超~400cc以下)」「大型自動二輪車(400cc超)」の3つに区分されています。大型二輪免許は、総排気量400cc超のバイクを運転するのに必要な免許のことで、運転免許証には「大自二」と記載されます。
大型二輪免許があれば大型バイクに乗れるのはもちろん、基本的に排気量400cc以下も含めた全区分のバイクに乗ることが可能です。大型に乗りたい人だけでなく、排気量の制限を気にせず幅広いバイクに乗りたい人にもおすすめです。
他の区分と同様にMT(ミッション)とAT(オートマ)の2種類があり、それぞれ下記のような違いがあります。
・MT:クラッチ操作やギア変速を自分で行うため、操作が複雑で教習費用・時間がかかりやすい。バイクを運転する楽しさがあることに加え、排気量の制限がない
・AT:クラッチ操作が必要なく単純で扱いやすいが、AT限定の免許ではMTバイクには乗れず車種が限られるのがネック
大型二輪免許があれば全区分のバイクに乗れますが、AT限定の場合は制限があるため、乗りたいバイクが対象かどうか確認しておきましょう。
また、普通二輪免許以上の区分から「2人乗り」が可能になります。「20歳以上」かつ「免許取得後3年以上経過」の場合であれば、高速道路でも2人乗りできます。排気量の多い大型二輪は長距離運転に適しているため、ツーリングデートに出かけることも可能です。
代表的な大型バイクの種類
大型二輪免許があれば、さまざまな大型バイクを運転できるようになります。
以下のような種類が、代表的です。
・アメリカン:車体・ハンドルともに大きく、ワイルドなデザインが人気のタイプ。ハーレーダビッドソンやYAMAHAのドラッグスターなどが有名です
・スーパースポーツ:サーキットレースで使用されるモデルと同等スペックのスポーティなバイクで、カーブ・加速に強いのが特長。KAWASAKIのNinja ZX-10Rが代表的
・ネイキッド:古くから人気を集める王道のバイクで、エンジン・フロントを覆うカウルのない古風なデザインが特長的。比較的操作しやすく、初心者から上級者まで愛されており、HONDAのGB350などが有名
一口に大型バイクといってもさまざまな種類があり、各メーカーから特長的なバイクが販売されています。
詳しくは「大型バイクの2021年最新モデルは?」で紹介しているので、大型バイクの種類について知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。
大型二輪免許の取得資格
大型二輪免許を取得するには、一定の条件を満たす必要があります。取得する上で満たしておくべき条件は、大きく分けて以下の2つが挙げられます。
・年齢
・身体的要件
それぞれ詳しく見ていきましょう。
年齢
大型二輪免許は、18歳以上でなければ取得できません。原付免許や普通二輪免許のように16歳で取得できる免許とは異なります。。
とはいえ卒業検定時に18歳以上であれば問題ないため、指定自動車教習所の卒業検定時・免許交付のタイミングを逆算して、17歳から入校することも可能です。
ただし教習所によっては「18歳の誕生日の1週間前から入校可」のように、一定条件を設けている場合や、通っている高校の校則で二輪免許に対して制限を設けている場合もあります。
満18歳以下の方や高校在学中の方は、教習所・学則を事前に確認しておきましょう。
身体的要件
大型二輪免許の取得には、一定の身体的要件も求められます。
身体的要件 | 条件 |
視力 | 両眼で0.7以上かつ片眼でそれぞれ0.3以上
※眼鏡・コンタクトレンズの使用可 |
色彩判別能力 | 赤・青・黄色の三色の識別が必須 |
聴力 | 10mの距離で90dBの警音器の音が聞こえる ※補聴器の使用可 |
その他 | 運転に支障をきたす四肢・体幹の障害がないこと ※補聴器の使用可 |
身体的要件に不安がある場合は、事前に教習所に問い合わせておきましょう。
先に普通二輪免許を取った方がよい?
「大型二輪免許があれば、どのバイクにも乗れるなら普通二輪免許がなくても大丈夫」と思われるかもしれませんが、いきなり大型二輪免許の取得を目指すのは難易度が高いです。
前提として、普通二輪免許を飛ばして大型二輪免許を取得するのは、法的に何の問題もありません。教習所に通うのも一度で済むため、時間・金銭的な負担も軽くて済むでしょう。
しかし大型バイクは200kgを超えるものも多く、無免許の状態でいきなり挑戦するには扱いにくさを感じます。バイクの操作に慣れてない状態で、いきなり重い大型バイクを乗りこなすのは難しく、普段から鍛えている方でもハードルが高いでしょう。また重量だけでなく、加速力やエンジンのパワーも大きいため、コントロールが難しいです。
初心者だと「車体の引き起こし」「エンジン停止中の押し歩き」など、基本的な内容ですら苦戦するかもしれません。結果的に免許取得に時間がかかったり、期間延長により割高になったりする可能性があります。
そのため教習所の中には、普通二輪免許を取得してから大型二輪免許の取得を目指すよう勧めるところもあるほどです。武蔵境自動車教習所でも、大型二輪の教習を受けられるのは普通二輪免許を持っている人のみに限定しています。
大型二輪免許を取る流れ
大型二輪免許の取得には、大きく2つのパターンがあります。
・教習所に通う場合
・一発受験する場合
基本的には教習所に通うのが一般的です。それぞれの取得方法について、流れを解説します。
教習所に通う場合
教習所に通う場合、学科・技能の授業を定められた時間分受けて、試験に合格することで、運転免許センターでの試験を受けられるようになります。
ただし「普通自動車免許」や「普通二輪車免許」を持っている場合と、全く免許を持っていない場合では少し流れが変わるので覚えておきましょう。
また取得にかかる期間も、免許の有無によって下記のように違いが生じます。
免許の有無 | 学科・技能の時限 | 大型二輪免許取得までの期間 |
免許なし(原付免許含む) | 学科26時限・技能31時限(※) | 約2~3カ月 |
普通自動車免許所持 | 学科1時限・技能31時限 | 約1~2カ月 |
普通二輪免許所持 | 学科なし・技能12時限 | 約1カ月 |
※普通二輪MTの技能講習と大型二輪MTの技能教習の合計時間
このように免許の有無で、大型二輪免許の取得までの期間は約1~2カ月の差があります。
教習所に通って、大型二輪免許を取得するまでの流れを解説します。
第一段階を受講する
第一段階の技能教習では、基本的なバイクの扱い方について学びます。以下のような、初めに覚えておくべき基礎的な内容となっています。
・引き起こし
・発進・加速
・停止
・進路変更 など
まずはバイクの扱いを覚えたり、大型バイクの感覚に慣れたりすることが大切です。カーブで流されないバランスの取り方や、体重移動での操作感などを体で覚えるのがポイントです。
規定時限数が終了したら「みきわめ」が行われ、第一段階の技術が身についていると判断されれば、第二段階の教習へ進みます。
第二段階を受講する
第二段階では、応用編として道路状況に合わせた運転技能を学びます。例えば、下記のような少し難易度の高い走行を行います。
・交差点での安全走行
・一本橋走行
・クランク・S字カーブ
・8の字走行
・急制動
・危険予測
運転技術を身に付けるだけでなく、法規則に則って安全運転する方法をマスターします。特に大型バイクでの事故は命取りになるため、後方確認の方法やウィンカーのタイミングなど、基礎的なことも含めしっかり覚えましょう。
第一段階と同じく規定時限数が終了したら「みきわめ」が行われ、第二段階の技術が身についていると判断されれば卒業検定へ進みます。
運転免許センターで試験を受ける
教習所内での卒業検定に合格したら、運転免許センターで試験を受け、合格すれば晴れて免許を取得できます。
運転免許センターの試験は、教習所の卒業証明書があれば「技能試験・取得時講習・応急救護処置講習」が免除されるため、学科試験および身体検査が行われます。学科試験では交通ルールやマナーについて出題され、95問中90%以上の正解率で合格です。
ただし普通自動車免許・普通二輪免許を所持している場合は、学科試験も免除されます。
また下記のものが必要となるので、忘れず準備しておきましょう。
・教習所の卒業証明書
・本人確認書類
・運転免許証(持っている人のみ)
・住民票の写し
・筆記用具
・顔写真(撮影後6カ月以内のもの)
・学科試験受験料
・免許交付手数料
・予約完了時のQRコードまたは受付番号(2024年2月1日以降に受験する人)
いきなり一発受験しても免許は取れる?
教習所は必ずしも通う必要はなく、運転免許センターで試験に合格すれば、免許を取得することも可能です。
運転免許センターで一発受験に挑戦する場合、適性検査・学科試験・技能試験に合格する必要があります。普通自動車免許・普通二輪免許の所持者は、学科試験が免除されます。
とはいえ一発受験の難易度は高く、警察庁交通局運転免許課の「運転免許統計令和4年版」によると、大型二輪免許合格者のうち教習所の卒業生が57,415人だったのに対し、技能試験を受けて合格したのは1,500人ほどでした(※)。合格者全体の2%にしか満たないため、日頃からサーキットやレースでバイクに乗っている方、や普通自動二輪のバイク歴が長い方など、一定以上の運転技能がないと難しいでしょう。
初めてバイクに乗る方やしばらくバイクに乗っていない方は、教習所に通って免許取得を目指すのがおすすめです。
大型二輪免許を取るまでにかかる費用
大型二輪免許の取得までにかかる費用は「教習所の受講費用」と「運転免許センターでの受験費用」の大きく2つに分けられます。
それぞれどのくらいかかるのか、目安を紹介します。
教習所の受講費用
教習所を受講する費用は、一般的に10万円前後~25万円ほどかかります。金額に大きく差があるのは、普通二輪免許を所持しているかどうかで費用が変わるためです。免許を持っていない場合、免許所持者に比べ10万円ほど費用が高くなります。また一般・学生・高校生など、職業によっても金額は変化します。
とはいえ、あくまで目安のため教習所や地域、プランによっても金額は変わるので、まずは問い合わせてみましょう。
運転免許センターでの受験費用
運転免許センターで試験を受けるには、受ける試験ごとに受験費用が発生します。教習所を卒業して、学科試験のみ受ける場合、以下のような金額になります。
受験料 | 1,750円 |
免許証交付料 | 2,050円 |
合計 | 3,800円 |
もし一発受験の場合は、上記に技能試験代金などが加わり、以下のような金額になります。
受験料 | 2,600円 |
免許証交付料 | 2,050円 |
試験車使用料 | 1,450円 |
取得時講習受講料 | 16,650円 |
合計 | 22,750円 |
※参考:警視庁.「二輪免許試験(直接試験場で受験される方)」
大型二輪免許の費用を安く抑えるポイント
大型二輪免許の取得には、免許の有無にもよりますが10万円~25万円ほどの費用が必要です。まとまった出費をできるだけ安く抑えられるよう、工夫しましょう。
安く抑えるポイントとして、主に以下の3つが挙げられます。
・閑散期を狙って入校する
・ストレート合格を目指す
・オプションを検討する
まず教習所のコース料金は時期によって異なり、繁忙期である2~3月頃・7~8月頃は割高です。一方で5~6月・10~12月は閑散期になるため、割安料金で入校しやすくなっています。少しでも費用を抑えたいのであれば、キャンペーンなどをうまく活用して閑散期を狙って入校しましょう。
次にストレート合格を目指すのも大切です。教習所・運転免許センターでの試験は、不合格になっても再試験を受けられますが、その都度手数料が発生してしまいます。
全試験に一発合格すれば、余計な追加費用が発生しないため、免許取得までの費用を軽減できます。
最後に、オプションを検討するのもおすすめです。通常であれば、追加の技能教習や技能再検定、補修技能講習などは、追加料金が発生します。しかし事前にオプションに入っておけば、万が一追加の試験や補習があっても追加料金がかかりません。
武蔵境自動車教習所では年齢ごとに安心オプションを設定しており、17歳~22歳であれば1万円で設定可能です。また「早特割」や「複数割」など、各種割引キャンペーンも実施しています。少しでも費用を抑えて教習所へ通いたい人は、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
大型二輪免許を取得すれば、排気量400cc超の大型バイクに乗れるのはもちろん、400cc以下のバイクにも乗れるようになります。幅広いバイクに乗れるため、かっこいいバイクに憧れる方やツーリングを始めたい方におすすめです。
ただし大型バイクは、車体が重くパワーも強いため初心者には扱いにくくなっています。そのため、いきなり大型二輪免許を取得せずに、先に普通二輪免許を取得してから、大型二輪免許を取得するのがおすすめです。
武蔵境教習所は、JR武蔵境駅から徒歩5分の好立地で21時まで営業しています。年中無休でインストラクター・車両数ともに地域No.1を誇るため、忙しい方でもスムーズに免許を取得しやすくなっています。
大型二輪免許取得を検討している人は、お気軽にお問い合わせください。