【2026年4月1日施行予定】自転車の「青切符」とは? ルール改正の背景と安全運転の徹底
自転車の「青切符」が始まると聞き「自分も対象になるのか」「何が変わるのか」と不安を感じている方は少なくありません。通勤や通学、買い物など、身近な移動手段だからこそ、制度改正の影響が気になるところでしょう。
本記事では、自転車の青切符制度の概要、導入された背景、違反との関係性を分かりやすく整理します。ニュースやSNSで断片的な情報に触れて混乱している方も、全体像を把握できる内容です。ぜひ参考にしてください。
目次
自転車の交通反則通告制度「青切符」とは?
まずは、自転車の青切符制度がどのような仕組みなのかを整理しましょう。
道路交通法上、自転車は自動車と同じ「車両」の一種である軽車両に分類されます。そのため、自転車にも自動車と同様に交通ルールが適用されています。
2026年4月1日からは、自転車の一定の交通違反に対して「交通反則通告制度」、いわゆる青切符が導入される予定です。これは、比較的軽微な違反について、反則金を納付することで刑事手続きを免れる仕組みです。
自動車ではすでに一般的な制度ですが、自転車にも適用される点が大きな変更点といえます。
一方で、重大な違反は従来通り刑事手続きの対象となります。交通ルールの遵守を促し、安全な交通環境を実現することが制度導入の目的です。
自転車の青切符制度導入の背景は?
なぜ今、自転車にも青切符制度が導入されるのでしょうか。背景には、自転車を取り巻く交通事故情勢の厳しさがあります。
自転車の利用者が増える中で、事故防止やルール遵守をより強く求める必要性が高まっています。次では、具体的な状況を詳しく見ていきましょう。
自転車事故の増加
自転車事故の現状を見ると、制度導入の必要性が見えてきます。交通事故全体の件数は減少傾向にある一方、自転車関連事故は年間数万件前後で推移しています。
全交通事故に占める自転車事故の割合は高く、特に自転車と歩行者の事故は増加傾向です。歩行者との接触事故は、日常の中で突然発生するケースも少なくありません。
高齢者や子どもが関わる事故も多く、被害が深刻化しやすい点が課題とされています。自転車は身近で便利な移動手段ですが、その分、危険と隣り合わせであることも事実です。
こうした状況を踏まえ、事故を未然に防ぐための仕組みづくりが求められてきました。青切符制度は、その一環として位置づけられています。
違反行為の重大性
自転車事故の多くには、何らかの違反行為が関係しています。自転車乗用中の死亡・重傷事故のうち、約4分の3で自転車側に法令違反が認められています。
代表的な違反は、信号無視や指定場所での一時不停止などです。「自転車だから大丈夫」という油断が、重大な事故につながるケースも少なくありません。
違反による事故は、加害者だけでなく被害者にも大きな影響を及ぼします。身体的な被害だけでなく、精神的・経済的な負担が長期化することもあります。
制度は、利用者を責めるためのものではありません。違反の重大性を正しく理解し、安全意識を高めることが重要です。
従来の刑事手続きの負担
これまで、自転車の交通違反は赤切符による刑事手続きで処理されてきました。違反内容に関わらず、捜査や書類作成、出頭などが必要になるケースもありました。
一方で、不起訴となる例も多く、実効性に課題があると指摘されてきました。警察側にとっても、手続きに多くの労力が必要となります。
こうした双方の負担を軽減しつつ、ルール遵守を促す仕組みとして導入されるのが青切符制度です。赤切符を否定するものではなく、制度の限界を補う役割を担っています。より現実的な対応を可能にする点が、制度導入の大きな特徴といえるでしょう。
自転車の青切符制度の施行時期と対象者
自転車の青切符制度について「いつから始まるのか」「自分は対象になるのか」は特に気になる点でしょう。施行時期と対象者を整理することで、制度を自分事として捉えやすくなります。
自転車の青切符制度は、2026年4月1日(令和8年)から施行されます。対象となるのは、16歳以上の人が自転車で一定の交通違反(反則行為)を行った場合です。
一方、16歳未満の人による違反については、原則として従来通り指導や警告が行われます。
これは、刑事責任の考え方や教育的な配慮によるものです。
高校生の年代から制度の対象となるため、通学で自転車を利用している場合も注意が必要です。ただし、16歳以上であっても、全ての違反が必ず青切符の対象になるわけではなく、状況に応じて指導や警告が行われる場合もあります。
青切符制度の反則行為と反則金
青切符制度では、対象となる反則行為ごとに反則金が定められています。どのような違反が対象になるのかを知ることが、安全運転への第一歩です。
詳細な反則行為の内容や金額については、次の項目で具体例を紹介します。自動車の反則金制度と似た仕組みである点も、併せて確認しておきましょう。
反則行為の具体例と反則金額
青切符の対象となる反則行為は、警察官が現場で確認し、明らかに違反と判断できるものです。反則金を納付すれば、刑事手続きを免れる仕組みとなっています。
主な反則行為と反則金額は、以下の通りです。
| 反則行為 | 反則金額 |
| 携帯電話使用等(保持) | 12,000円 |
| 遮断踏切立入り | 7,000円 |
| 信号無視 | 6,000円 |
| 通行区分違反(右側通行・逆走) | 6,000円 |
| 横断歩行者等妨害等 | 6,000円 |
| 安全運転義務違反 | 6,000円 |
| 指定場所一時不停止等 | 5,000円 |
| 無灯火 | 5,000円 |
| 公安委員会遵守事項違反 | 5,000円 |
| 自転車制動装置不良 | 5,000円 |
| 並進禁止違反 | 3,000円 |
| 軽車両乗車積載制限違反 | 3,000円 |
日常の自転車利用で起こりやすいものも含まれているため、注意が必要です。信号無視や無灯火などは、知らずに行ってしまうケースも少なくありません。
反則金額は、制度の運用開始に向けた検討の中で、今後見直される可能性もあります。
また、違反の内容や状況によっては指導や警告、あるいは刑事手続き(赤切符)の対象となる場合もあり、全ての違反が必ず青切符になるわけではありません。
青切符と赤切符の違い
自転車の違反に対する取り締まりには「青切符」と「赤切符」の2種類があります。
処分内容や影響は大きく異なるため、違いを正しく理解しておくことが大切です。
両者の主な違いを以下にまとめました。
| 項目 | 青切符(交通反則通告制度) | 赤切符(刑事手続) |
| 対象となる違反 | 比較的軽微な反則行為 | 重大な違反 |
| 処理の流れ | 反則金を納付 | 捜査・裁判 |
| 刑事手続 | 免除される | 有罪となる可能性あり |
| 前科 | 付かない | 有罪で前科が付く |
| 自動車免許への影響 | 影響しない | 停止処分の可能性あり |
青切符は、反則金の納付によって手続きが完結する仕組みです。一方、赤切符は刑事手続きに進み、処分が重くなる可能性があります。
自転車の違反であっても、内容次第では赤切符に切り替わる点に注意しましょう。
青切符制度導入後の注意点
青切符制度が始まっても、全ての違反が軽く扱われるわけではありません。違反の内容や状況によっては、より重い処分が科される可能性があります。
次の項目では、具体的にどのような場合に注意が必要かを解説します。
刑事手続(赤切符)に移行するケース
青切符の対象となる反則行為であっても、一定の条件に当てはまる場合は刑事手続に移行します。青切符が必ず適用される制度ではない点を理解しておきましょう。
例えば、次のようなケースでは赤切符による処理となります。
- ・酒酔い運転や酒気帯び運転、妨害運転などの重大な違反
- ・携帯電話使用などにより、実際に交通の危険を生じさせた場合
- ・反則行為が原因で交通事故を発生させた場合
- ・違反の成否を争い、反則金を納付せず裁判を求めた場合
- ・住所や氏名を明らかにしない、または逃亡した場合
これらは、社会的な危険性が高いと判断される行為です。警察の判断や現場の状況によって、扱いが変わることもあります。
一度の違反ですぐ赤切符になるとは限りません。ただし、重大性が高い場合は例外となる点に注意が必要です。
危険行為の繰り返しに対する「自転車運転者講習制度」
危険な違反を繰り返した場合には「自転車運転者講習制度」が適用されます。処罰ではなく、再発防止を目的とした教育的な制度です。
対象となるのは、14歳以上の自転車利用者です。信号無視や一時不停止、携帯電話使用(保持)など、16類型の危険行為が該当します。
3年以内に2回以上、反復して検挙された場合や事故を起こした場合、公安委員会から受講命令が出されます。講習は3時間で、受講料が必要です。
命令を受けたにもかかわらず、3か月以内に受講しない場合は、5万円以下の罰金が科されます。若年層も対象となるため、早い段階からの安全意識が重要です。
運転免許の停止処分を受ける可能性
自転車の違反であっても、運転免許に影響が及ぶ場合があります。対象となるのは、自動車や原動機付自転車の運転免許を保有している人です。
自転車乗用中に、重大な事故を起こした場合や、特に悪質・危険な違反を犯した場合、
公安委員会の判断により、運転免許の停止処分が行われることがあります。
停止期間は、6カ月を超えない範囲とされています。また全ての違反で免許停止になるわけではありません。
「自転車と免許は無関係」と考えてしまうのは危険です。あくまで例外的なケースですが、重大性や悪質性が判断基準になる点を理解しておきましょう。
自転車利用者が徹底すべき「自転車安全利用五則」
青切符制度や処分内容を知ると「では日常で何を意識すればよいのか」と感じる方も多いでしょう。その指針となるのが「自転車安全利用五則」です。
自転車安全利用五則は、事故リスクを低減し、安全に自転車を利用するための基本ルールです。令和4年11月1日に交通対策本部で決定され、現在の自転車交通の基準となっています。
青切符制度とも深く関係する「守るべき基本ルール」として、次の項目で一つずつ確認していきましょう。
1.車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先
自転車は、道路交通法上「軽車両」に位置づけられています。そのため、原則として車道を通行し、左側端に寄って走行する必要があります。右側通行や逆走は「通行区分違反」に該当します。無意識の逆走が事故につながるケースも少なくありません。
歩道は例外的に通行できる場合がありますが、その際も注意が必要です。歩道では車道寄りを徐行し、歩行者を最優先に行動しなければなりません。
歩行者の通行を妨げる恐れがある場合は、一時停止が求められます。「歩道=安全」という思い込みが、接触事故を招くこともあります。
通行場所に応じた役割を理解し、歩行者への配慮を忘れないことが大切です。
2.交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
自転車事故の多くは、交差点で発生しています。特に信号無視や一時不停止は、重大事故につながる危険性が高い行為です。信号のある交差点では、必ず信号に従いましょう。指定場所での一時停止も、自転車だからと省略してはいけません。
見通しのきかない交差点や曲がり角では、信号がなくても徐行が必要です。左右の安全確認を怠ると、歩行者や車両との衝突につながります。
「自転車だから大丈夫」という油断が、判断を遅らせる原因になります。交差点では、常に慎重な行動を心がけましょう。
3.夜間はライトを点灯
夜間に自転車を運転する場合、ライトの点灯は必須です。無灯火での走行は禁止されており、反則行為の対象となります。無灯火で走行した場合、反則金は5,000円です。ただし、重要なのは金額よりも安全面への影響でしょう。
ライトを点灯しないと、他の車両や歩行者から発見されにくくなります。「自分が見えている」ことと「相手から見える」ことは別です。日没が早い季節は、まだ明るいと感じても注意が必要です。早めの点灯を習慣にすることで、事故のリスクを下げられます。
4.飲酒運転は禁止
自転車であっても、飲酒運転は禁止されています。体内のアルコール濃度に関わらず、飲酒後の運転は認められていません。
自転車の飲酒運転は刑事罰の対象です。酒酔い運転の場合、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
「自転車なら少しなら大丈夫」という考えは誤解です。判断力やバランス感覚の低下は、事故の大きな原因になります。
飲酒した場合は、自転車を押して歩く選択肢もあります。安全な行動を選ぶことが、自分と周囲を守ることにつながります。
5.ヘルメットを着用
自転車に乗る際のヘルメット着用は努力義務とされており、命を守る重要な役割を果たします。
自転車事故による死者の約5割は、頭部を負傷しています。またヘルメット非着用時の致死率は、着用時と比べて約1.4倍高いとされています。
ヘルメットは子どもだけでなく、大人にも必要です。近年は、日常使いしやすいデザインの製品も増えています。
「義務ではない=不要」ではありません。万が一に備え、前向きに着用を検討してみましょう。
まとめ
自転車の青切符制度は、比較的軽微な違反に対して反則金で対応する仕組みです。一方で、重大な違反や危険行為を繰り返した場合は、重い処分につながる可能性があります。
制度を正しく理解するとともに、日頃からルールを守る意識が欠かせません。自転車安全利用五則は、安全な行動を考えるための大切な指針です。
武蔵境自動車教習所では、地域に根ざした高校生向けの交通安全教育に取り組んでいます。一人ひとりの意識が、安全な交通社会づくりにつながります。日常の自転車利用を、今一度見直してみてください。
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