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コラム2021.03.19自動車免許はいつから必要になった?免許の歴史を徹底解説

自動車やバイクに乗っている人は当然ながら運転免許を持っています。現在の運転免許の制度は細かく定められており、排気量や乗車定員、積載物などの条件によって必要な免許が変わります。しかし日本の過去を振り返ってみれば運転免許なしで公道を走行していたり、5年後ごとに免許証更新の再試験を受けたりしていた時代もありました。

この記事では日本でいつから運転免許が必要になったのか、どのような変遷をたどって現在の運転免許の制度になったのか解説します。また現在大きな注目を集めている自動運転についての基礎知識も解説します。すでに免許を持っている人も、これから取得する人も、興味深い運転免許の歴史を振り返ってみましょう。

運転免許の始まりは1903年(明治36年)

日本で初めて自動車が走ったのは1898年(明治31年)とされています。それから5年後の1903年8月、愛知県で日本初の自動車免許制度「乗合自動車営業取締規則」が制定されました。
このころの日本は翌年に日露戦争を控えている時代です。都心では路面電車が走っていましたが人力車による移動も一般的でした。

愛知県の「乗合自動車営業取締規則」は他県でも採用され、1903年末までに8県で適用されます。そしてその後10年ほどで全国に制定されました。

日本における運転免許制度の開始は諸外国に比べて特に遅いわけではありません。フランスでは10年前から運転免許制度が開始されていましたが、イギリスは日本と同じ1903年開始、その当時アメリカでは運転免許制度はまだありませんでした。

乗合自動車営業取締規則が対象とする車種は自家用車ではありません。「乗合自動車」と呼ばれる現在のバスのようなものです。しかし当時は一般庶民が乗合自動車に乗ることはなく、自動車を見たことがない人も大勢いました。

自家用車の運転免許は1907年(明治40年)から

自家用車に運転免許が必要になったのは1907年(明治40年)からです。この年、警視庁が「自動車取締規則」を施行し、東京で自家用車を運転できるのは運転免許取得者だけになりました。

制限速度は8マイル(約13Km/h)であり、現在の法律と比べると遅いですが自動車に慣れていなかった当時の交通事情など考えると妥当だったのでしょう。自動車取締規則の導入にあたって警視庁は試乗会を繰り返すなど、入念な準備を重ねていたようです。新聞で運転免許の取得を呼びかけるなど、周知徹底にも努めていました。

自家用車といっても運転免許の対象となる人は会社の運転手、車掌など仕事で運転する人に限られました。記念すべき第1号の運転免許取得者は、当時の財閥三井家に馬車の御者(運転手)として雇われていた渡辺守貞という人です。

自動車取締規則の発令初年度でも警視庁管内おける自動車登録台数はわずか16台だったとされています。ちなみに免許証は木製でした。免許証の変遷については、後ほど詳しく紹介します。

運転免許が全国区になったのは1919年(大正8年)

全国統一の交通法規「自動車取締令」が施行されたのは1919年(大正8年)です。世界中で大ヒットした「フォード モデルT」を始めとした大量生産車が普及し、台数が急増したからです。500台程度だった自動車の台数は1924年までに2万台を超えます。また車種も多様化し乗合自動車、タクシー、多くの自家用車が街に走るようになりました。県をまたぐ移動が増えたことも全国統一の交通法規が求められた要因です。

自動車取締令は甲種と乙種に分かれます。甲種はどの車両でも運転できる免許証で、乙種で運転できるのは特定自動車や特殊車両に限られました。

免許を取得する条件は18歳以上であることです。また車体検査証を所有していること、つまり自動車を所有していることも条件です。現在のように免許取得後に自家用車を購入することはできませんでした。免許更新も更新制でなく、5年後ごとに再試験が行われました。

業務用の免許が登場した1924年(大正13年)

現在の道路交通法における第二種運転免許に相当する業務用免許が登場したのは1924年(大正13年)です。自動車運転手試験規則が制定され「就業免許」と呼ばれました。自動車取締令の1つとして組み込まれたため、運転免許は甲種、乙種、就業免許の3種類になりました。

「運転免許」という名称になったのは1933年(昭和8年)

1933年、自動車取締令が国産自動車の普及などを背景にして全面的に改正されました。このとき初めて「運転手免許」から「運転免許」という現在の名称になります。

乙種は普通免許という名称に変わりました。また、甲種・就業という分類は、750ccまでの小型免許(小型四輪、小型三輪、自動二輪)、特殊免許(牽引車などの特殊車両)という分類ができました。就業免許は戦時体制が強化される昭和13年に「厳格すぎる、警察業務の負担になる」などの理由で廃止されるまで続きます。

免許を取得できる年齢は小型免許が16歳から、特殊免許が18歳からと規定されました。普通免許は乙種の18歳からという規定を引き継ぎましたが、1944年(昭和19年)の徴兵年齢の引き下げに伴い15歳からとなります。このとき特殊免許も同じく15歳に引き下げられました。

また、小型免許も14歳から取得でき、試験も口頭のみに簡略化されます。国家総動員体制下の特殊な状況によるこれらの年齢変更は終戦後に元に戻されます。

道路交通取締法が交付された1947年(昭和22年)

終戦後の1947年(昭和22年)、日本国憲法の制定・施行とともに道路交通取締法が公布されました。運転免許の区分は普通運転免許、特殊免許、小型免許の3種類です。

小型免許のなかには自動二輪の免許が加えられています。このときまでオートバイの運転に免許は必要ありませんでした。二輪免許は1,500ccまでの自動二輪を運転する場合は第三種小型免許、150cc以下を運転する場合には第四種小型免許に分かれています。ただし法改正前に小型免許を取得していた人は、自動的に第三種小型免許が与えられました。

1949年(昭和24年)にも道路交通取締法の改正が行われます。大きな変更点はサイドカー(側車付二輪自動車)が小型免許に加わったことです。それにともない第三種と第四種の自動二輪免許は、自動二輪(排気量制限なし)と軽自動二輪(150cc以下)に分かれます。

この改正は荷物運搬用の乗り物としてサイドカーが急速に販売数を伸ばしていたことに対応したものでした。1949年までGHQは自動車生産台数を制限しており、比較的規制が緩いサイドカーに需要が集中したことが背景に挙げられます。

自動車の発展とともに免許やルールが変わっていく

20世紀は自動車の世紀と言われますが、その後半も自動車の発展は続きます。それとともに免許制度も改正を続けていきました。主な改正のポイントは以下のとおりです。

・1952年(昭和27年)
道路運送車両法が改正され、軽自動車の区分が誕生。

・1956年(昭和31年)
普通免許の大幅改定。普通免許は普通免許と大型免許に分けられる。また、バスやタクシーなどの旅客運送のための運転免許である第二種免許が新設。

・1960年(昭和35年)
道路交通取締法が廃止され、道路交通法が施行。取り締まりのための法整備だけでなく運転者が順守するべきルールが網羅された。また小型免許が普通免許に統合されるなどの改正もあった。

・1962年(昭和37年)
特定大型自動車免許の免許資格変更。乗車定員、運搬業種、積載物、車両などの条件が改正される。

・1964年(昭和39年)
小型特殊免許の導入。道路交通に関する条約 (ジュネーブ条約)加盟に伴い、国際運転免許を制定。

・1968年(昭和43年)
複雑化していた免許制度が整備され、現在の免許制度がほぼ完成。

・2007年(平成19年)
中型免許が新設。

・2008年(平成20年)
聴覚障がい者の免許取得が可能に。

自動二輪の免許は1947年(昭和22年)に加えられました。そして1949年(昭和24年)に道路交通取締法の改正により自動二輪と軽自動二輪に分かれます。

区分 排気量
自動二輪 制限なし
軽自動二輪 150cc以下

それから先の二輪車免許の変遷はやや複雑です。ここでは、二輪車免許に絞って改正のポイントを解説します。

・原付許可と軽免許が誕生|1952年(昭和27年)
軽自動二輪の名称が軽免許に変更。また、90cc以下の原動機付自転車を運転できる原付許可という区分が設けられた。免許不要で審査に通過するだけでよいことが特徴。

区分 排気量
自動二輪 制限なし
軽免許 250cc以下
原付許可 90cc以下

・原付がさらに細分化|1954年(昭和29年)
原付許可の区分が細分化。排気量50cc以下の自動二輪を運転できる原付第一種許可と、125cc以下の自動二輪を運転できる原付第二種許可に分けられた。排気量50cc以下は日本独自の規格。

区分 排気量
自動二輪 制限なし
軽免許 250cc以下
原付二種許可 125cc以下
原付一種許可 50cc以下

・原付が免許制へ|1960年(昭和35年)
道路取締法から道路交通法に代わったことに伴い、届出制であった原付許可が原付一種・二種という免許制に変わる。

区分 排気量
自動二輪 制限なし
軽免許 250cc以下
原付二種 125cc以下
原付一種 50cc以下

さらに同年、以下のように区分が簡略化された。

区分 排気量
自動二輪 制限なし
原付 50cc

・自動二輪に排気量条件が復活|1972年(昭和47年)
自動二輪が自動二輪と自動二輪(小型)に分かれ、排気量の条件ができた。

区分 排気量
自動二輪 制限なし
自動二輪(小型) 125cc以下
原付 50cc以下

・排気量が細分化|1975年(昭和50年)
排気量別で免許が細分化。400cc以上のバイクを運転するには、運転免許センターでいわゆる「限定解除」試験に合格する必要があった。合格率は約1%という難関の試験。背景には自動二輪の最高速度が上がり、求められる運転技術や知識などが高まったことなどがある。

区分 排気量
自動二輪 制限なし
自動二輪(中型) 400cc以下
自動二輪(小型) 125cc以下
原付 50cc以下

・大型免許の取得緩和|1995年(平成7年)
大型免許の取得緩和が行われた。運転免許センターだけでなく教習所での取得も可能になった。区分は以下の表のように変更。一見すると名称変更にすぎないが、法律上の区別が厳密になっている。たとえば普通二輪で750ccのバイクに乗ると無免許運転になった(前制度では同じ自動二輪なので条件違反の扱い)。

区分 排気量
大型二輪 制限なし
普通二輪(中型) 400cc以下
普通二輪(小型) 125cc以下
原付 50cc以下

・2005年(平成17年)
AT限定免許の導入。

区分 排気量
大型二輪 650cc※2017年改訂で無制限に
普通二輪(中型) 400cc
普通二輪(中型)(AT限定) 400cc
普通二輪(小型) 125cc
普通二輪(小型)(AT限定) 125cc
原付 50cc

免許証はどう変わった?

自家用車の運転免許交付が始まった1907年の免許証は木製だったことは先に少し触れました。免許証自体がどのように変化してきたのか知りたい人もいることでしょう。その後の主な変遷は以下のとおりです。

・1919年:甲種と乙種の免許証が紙製になった。
・1966年:免許証番号が全国で統一された。顔写真も追加。
・1972年:モノクロからカラー印刷に変更。
・2007年:ICカード化され現在の免許証に至る。

自動運転の時代へ!運転免許はどう変わる?

自動運転技術の開発は自動車メーカー以外のIT企業も参画するなどもあり、日進月歩で進んでいます。このまま技術が進歩すると免許は不要になるのでしょうか。

ここでは自動運転の6段階のレベルについて解説した後、現在実用化されている自動運転がどのレベルなのか解説します。最後に免許不要の時代が到来するかどうかの見通しを紹介します。

自動運転のレベル

自動運転といっても搭載されている技術によって実現できることが大きく異なります。そのため自動運転のレベルは0~5の基準に分類されています。各レベルを簡単に紹介すると以下のとおりです。

・レベル0:自動運転なし
・レベル1:加速減速またはハンドル操作のどちらかが自動運転
・レベル2:加速減速とハンドル操作の両方を自動運転
・レベル3:ドライバー監視のもと一定条件のもとで全て自動運転
・レベル4:一定条件のもとで全て自動運転
・レベル5:条件なく全て自動運転

それでは各レベルについて詳しく説明します。

レベル0

自動運転が一切ないレベルです。全ての運転はドライバーが行います。

レベル1

アクセルやブレーキを自動制御して加速・減速を行います。またはハンドルを操作してどの方向に進むのか自動制御します。つまり前後、左右のいずれかを自動運転できるレベルです。具体的には障害物を検知したときの減速などがレベル1で実現できます。

レベル2

アクセル・ブレーキとハンドルの2つの自動運転が同時に実現できるレベルです。たとえば高速道路などにおいて車間距離を保ちつつ車線内中央を走行するようにハンドルを操作するなどが実現できます。

ただしレベル2ではドライバーが常に運転状況を監視して、誤動作があればすぐに正さなければなりません。そのためレベル1~2では自動運転ではなく自動支援という言葉が使われることがあります。

レベル3

一定の条件のなかで全ての運転を自動で行えるレベルです。ドライバーは緊急事態やシステムの不具合が発生したときだけ運転を行います。ただし、自動運転中も常にドライバーが運転できるように待機していなければなりません。

レベル3での自動運転は法律で許可されている場所でのみ可能です。日本ではすでに道路交通法と道路運送車両法を改正してレベル3が許可されました。今後、高速道路などからレベル3による自動運転が実用化されていく見通しです。

レベル4

レベル4で実現できることはレベル3と変わりません。違う点は緊急時もドライバーが対応する必要はなく、自動運転を継続することです。たとえば計器の故障などによって自動運転が制限される場合も、最後まで自動運転を行えるように設計されています。つまり原則としてドライバーが運転することは想定されていません。

レベル4による自動運転の活用はタクシーやバスなど移動サービス分野で期待されています。まずは空港と飛行機間での送迎など、限定されたエリアでの実現が進められる見通しです。コストが高いことから、自家用車でのレベル4の普及は商業利用の後になりそうです。

レベル5

条件なしの完全自動運転を実現できるレベルです。場所を選ばずドライバーなしで自動走行できます。レベル5で期待されているのは高度な自動運転技術も当然ありますが、移動手段としてのイノベーションです。

ハンドルやアクセル・ブレーキはドライバーのためのものであり、レベル5では不要です。そのため車のデザインの自由度が格段に上がり、乗車中の人の過ごし方も全く違ってくるでしょう。車という概念自体が変わるのではないかと予想されています。

レベル5を実現するには法整備も必要です。万一事故が起きた場合は誰が責任を負うのかなどの難しい問題が今後検討の対象になるでしょう。

現在実用化されている自動運転レベル

現在実用化されている自動運転レベルはレベル3です。ホンダは2020年中にレベル3搭載の「レジェンド」を市場に投入予定でした。ただ、コロナ禍の影響もあってか販売が延期されました。レジェンドでは渋滞時の高速道路において全ての運転を自動で行います。

レベル3搭載の自動車を初めて販売したのはアウディです。フラッグシップセダン「アウディA8」ではレベル3相当技術「Audi AIトラフィックジャムパイロット」が話題となりました。このシステムは、高速道路で走行速度が60Km以下になった際にレベル3による自動運転を実現できます。

レベル3においては市販できる段階にある自動車メーカーが複数あるとみられ、今後続々と販売されることが期待されています。

レベル4~5は運転免許が不要になるのか?

レベル4~5の自動運転ではドライバーが運転することを想定していません。運転しないなら運転免許も要らないという意見もあるでしょう。しかし車のメンテナンスや運転前の点検は必要です。万一故障して走行不可になった場合は、他の車両や歩行者などに影響が出ないために必要な措置をとらなければなりません。

こうした意味で運転免許を取得するときに必要な知識や技能の一部は、やはり身に付けておくことが必要です。

今後の法整備は不明ですが「自動運転専用免許」のような免許が誕生する可能性は大いにあります。また自動運転技術を併用して遠隔地からの運転を許可する免許制度改正も考えられます。さまざまな変遷を経てきた免許制度ですが、最も大きな変革のときが近づいているのかもしれません。

自動車や自動二輪を運転する際に必要な免許の制度は、これまでさまざまに改正されてきました。自動車技術の発展や車種の多様化、交通事情などに合わせて必要な免許が定められています。過去から現在までの免許証の歴史を振り返ってみて興味深いこともあったのではないでしょうか。

自動車技術は今も進み続けています。多くの人は自動運転の恩恵を受けることになるでしょう。すでに一定の条件下で全ての自動運転を行う自動車が市販されています。自動運転が普及していけば、いずれ免許制度の改正も行われるかもしれません。

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