中型免許の取得に使える補助金は? 利用条件や申請手続きの流れを解説!
「仕事で中型免許が必要だけど、費用が高い」「転職のため中型免許が欲しいが貯金を切り崩すのは怖い」と、免許を取得したくても金銭面で悩まれる方は多いでしょう。
中型免許は、4tトラックやマイクロバスなどの運転に必須ですが、取得費用は20万円〜30万円と決して安くありません。しかし、国や業界団体が提供する補助金制度を利用すれば、費用を大幅に抑えることが可能です。
この記事では、中型免許の取得に使える代表的な補助金制度である「教育訓練給付金制度」について、補助金額や利用条件、手続きの流れなどを詳しく解説します。
全日本トラック協会などが提供する独自の補助金制度も紹介するので、補助金制度を利用して、費用を抑えながら中型免許を取得しましょう。
目次
中型免許が必要になる場面とは?
中型免許は、配送業界でよく使われる4tトラックや、マイクロバスなどの普通自動車よりも少し大きな車を運転できる免許です。
例えば、以下のような場面で中型免許が役立ちます。
・運送業界でのドライバー職:4tトラック・6tトラックなどを運転し、商品の配送・運搬を行う
・バス運転手:マイクロバスを運転し、送迎バスや観光バスの運行を担当する
・配送ドライバー:企業や店舗へ商品や在庫の配送を行う
特に、近年ではインターネット通販の普及やドライバーの人手不足により、物流業界の需要が増加傾向にあるため、中型免許の保有は転職やキャリアアップに有利に働く場合があります。
なお、具体的には下記のような車両を運転できる免許です(※)。
・車両総重量:7.5t以上11t未満
・最大積載量:4.5t以上6.5t未満
・乗車人数:11人以上29人以下
※参考:福岡県警.「各免許で運転できる自動車の範囲」.(参照2025-03-21)
中型免許取得にかかる費用と補助金の必要性
中型免許の取得費用は、教習所や所持免許、選択するプランによって変動しますが、一般的には20万~30万円程度かかります。個人で取得する場合はもちろん、従業員に資格を取得させたい企業にとっても大きな負担となるでしょう。特に運送業や建設業で中型免許が必要な場合、複数の従業員に対して資格取得費用を支援するには多大なコストがかかります。
こうした金銭的な負担を抑えるためには、補助金制度の活用がおすすめです。
厚生労働省や業界団体は、深刻なドライバー不足への対応として、免許取得費用を補助するさまざまな制度を設けています。代表的な補助金制度の一つが「教育訓練給付金制度」です。
厚生労働大臣が指定した教育訓練を受講すると、受講費用の一部が支給されます。給付率は最大50%となっており、通常の半額の負担で済みます。
中型免許取得に使える「教育訓練給付金制度」とは?
教育訓練給付金制度は、雇用保険の加入者や過去に加入していた方が対象です。厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講し修了した場合、その受講費用の一部が支給されます。
中型免許の取得も制度の対象となっており、指定された自動車教習所で教習を受けると、教育訓練経費の20~50%が支給されます。
ただし、教習所によって支給額が異なるので、給付率を確認してから受講するのがおすすめです。
補助金額・利用条件
教育訓練給付金制度の補助金額は、中型免許取得に利用する場合、20~50%と給付率に開きがあります。
中型免許の教習は「特定一般教育訓練給付金」と「一般教育訓練給付金」の両方の対象講座となっており、教習所によってどちらに申請しているか異なるため給付率に差が生まれています。
教育訓練給付金制度の概要は、以下の通りです(※)。
特定一般教育訓練給付金 | 一般教育訓練給付金 | |
補助金額 | 対象額の50%(上限25万円) | 対象額の20%(上限10万円) |
支給条件 | 【在職者】
【離職者】
・受講開始日時点で、雇用保険の被保険者であった期間が1年以上 |
|
対象経費 |
・検定試験の受験料、補助教材費、補講費、交通費、クレジットカード会社に対する手数料などは含まれない |
|
Webサイト | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html | |
問い合わせ先 | 管轄のハローワーク |
同じ資格でも教習所が異なるだけで給付金額が大きく異なるため、特定一般教育訓練給付金の対象となる教習所を選びましょう。
なお、2024年10月から特定一般教育訓練給付金が拡充されたことで、給付率が40%から50%に引き上げられています。今までよりも、お得に資格を取得できるチャンスだといえます。
※参考:厚生労働省.「教育訓練給付制度」.(参照2025-03-21)
申請手続きの流れ
教育給付金は、受講前に手続きを始めておく必要があります。どのように申請するのか、中型免許の取得を想定して、特定一般教育訓練給付金の手続きの流れを解説します。
1.訓練前キャリアコンサルティング
教習所の入所手続きを行ったら、ハローワークで「訓練前キャリアコンサルティング」を受けて、ジョブカードを交付してもらいましょう。
キャリアコンサルタントの国家資格を有する方と、一緒にキャリアプランを考える時間となるので、試験のように身構える必要はありません。
なお、訓練前キャリアコンサルティングの際には、下記の書類が必要です。
・キャリア・プランシート(就業経験がある方用)
・職務経歴シート
・職業能力証明(免許・資格)シート
・職業能力証明(学習歴・訓練歴)シート
2.受給資格の確認
訓練前キャリアコンサルティングを受けたら、受給資格確認のため、受講開始日の2週間前までに、住民登録のある地域のハローワークへ提出しましょう。
・教育訓練給付金および教育訓練支援給付金受給資格確認票
・ジョブカード
・本人確認書類および個人番号(マイナンバー)確認書類
・払渡希望金融機関の通帳またはキャッシュカード
キャリアコンサルティングの際に、まとめて提出できるとハローワークに何度も行かずに済むので、上記の必要書類を用意してキャリアコンサルティングを受けましょう。
3.受講開始・終了
受講開始の際には「教育訓練給付金(特定一般教育訓練)受給資格確認通知書」を教習所に提出すれば、受講前の事前手続きは終了です。
4.支給申請①
受講を開始して、無事に卒業検定に合格したら、1カ月以内に住民登録のある地域のハローワークにて支給申請を行ってください。
支給申請には、以下の書類が必要です。
・教育訓練給付金支給申請書
・受給資格確認通知書
・教育訓練修了証明書
・教育訓練実施者が発行する教育訓練経費に係る領収書
・教育訓練経費等確認書
・本人確認書類および個人番号(マイナンバー)確認書類
・特定一般教育訓練給付受給時報告
この時点で、教育訓練経費の40%に相当する額(上限20万円)が支給されます。
5.資格取得・就職
特定一般教育訓練給付金は、資格取得・就職した場合、教育訓練経費の10%(上限5万円)が追加で支給されます。
ただし訓練にかかわる資格を取得した翌日から1年以内に雇用保険の一般被保険者等として、雇用された・雇用されている場合に限られるため、1年以内に就職しなかった場合は給付の対象外となってしまいます。
なお、訓練修了後の手続き(支給申請①)とまとめて行うことも可能です。
6.支給申請②
資格取得後に就職した・就職している場合は、1カ月以内に住民登録のあるハローワークにて支給申請を行ってください。
支給申請には、以下の書類が必要です。
・教育訓練給付金
・受給資格確認通知書
・本人・住居所確認書類(マイナンバーカードなど)
・資格取得したことを証明する書類(免許証)
・教育訓練実施者が発行する教育訓練経費に係る領収書
・特定一般教育訓練給付追加給付申請時報告
中型免許取得に使えるその他の補助金制度
教育訓練給付金以外にも、中型免許取得に使える補助金制度がいくつかあります。全日本トラック協会や東京都トラック協会といった業界団体が提供する補助金制度を紹介します。
若年ドライバー確保のための運転免許取得支援助成事業
「若年ドライバー確保のための運転免許取得支援助成事業」は、全日本トラック協会が提供する補助金制度です。
制度名の通り、若いドライバーを確保するために、各都道府県のトラック協会の会員事業者が、新たに運転者として採用した若年ドライバーを対象に下記の支援を行います。
・特例教習の受講:3分の1(上限10万円)負担
・準中型免許:取得費用(上限4万円)負担
ただし、助成金を受給するには、下記全ての要件を満たす必要があります。
・当該事業者が、2023年4月1日以降に、当該運転者を採用していること
・当該運転者は、1989年6月2日以降の生まれであること
・当該運転者が、2024年4月1日以降に指定自動車教習所などを活用して、特例教習を受講終了または準中型免許を取得していること
・当該運転者が、助成金申請時に当該事業者に在籍し、運転者として従事していること
なお、上記は令和6年度募集の情報となります。令和7年度以降は支給額や要件が変更となる可能性があるためご注意ください。
女性ドライバー免許取得助成
「女性ドライバー免許取得助成」は、東京都トラック協会が提供する補助金制度で、東京都トラック協会の会員として営業用貨物自動車の運転に従事する女性が対象です。
取得免許に応じて、免許取得価格の3分の2が給付されます。中型免許(限定解除を含む)の場合は、上限18万円までが助成対象です。
助成対象となる事業者は、東ト協会員かつ会費の滞納がない中小企業者に限定。資本金額または出資の総額が3億円以下の会社であること、もしくは常時使用する従業員の数が300人以下の会社および個人が該当します。
また、助成対象者は、以下全てに該当する必要があります。
・東京都内の会員事業所に在籍し、助成金申請時に営業用貨物自動車の運転に従事する女性であること
・2023年4月1日~2025年2月末日に免許を取得していること
・免許の取得費用を会員事業者が負担していること(運転者個人が免許取得費用を支払った場合には助成金を交付しない)
・取得した免許について国および関係団体等から助成金が交付されていないこと
・1会員事業者当たりの人数制限は定めない
・助成金交付日を起算として5年以上自社のドライバーとして継続勤務すること
なお、上記は令和6年度募集の情報となります。令和7年度以降は支給額や要件が変更となる可能性があるためご注意ください。
まとめ
運送業や建設業などで役立つ中型免許ですが、取得には20~30万円の費用がかかるのがネック。教育訓練給付金制度を利用すれば、20~50%の給付を受けられます。
最大で運転免許取得費の半額が戻ってくるため、業務で免許取得が必要な方にとって、金銭面的で大きなチャンスだといえます。
ただし教育訓練給付金制度には「特定一般教育訓練給付金」と「一般教育訓練給付金」などがあり、教習所によってどちらに申請しているか異なる点には注意しましょう。
運転免許取得費の50%が戻ってくるのは特定一般教育訓練給付金のみです。武蔵境自動車教習所では、準中型・中型免許どちらも「特定一般教育訓練の対象」です。給付額が大きく、他の教習所よりもお得に資格を取得できます。
※普通車第一種・二輪車は対象外
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